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旅をする中で、あることないこと思ったことを割と自由につづってます。 が、もう旅も終わってしまったので、普通の日記を書いています、多分。
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前に他のサイトで書いたことのある話を、ここにも残しておきたいと思います。


サイトの変更(バージョンアップ? 何て言うのかわからん)で全部消えてしまったのでうろ覚えですが。




その1
ねこと牛とミルクとふなむし


高校1年の夏休みに、
姉の先生の奥さんのお父さんの友達、という
かなり複雑なコネを使って
牧場のアルバイト、
というか、研修みたいなことをしていた。


朝の3時に起きて身支度をして出発、
自転車で1時間半かけて通勤し、5時には仕事がスタート。


まず仔牛に、薬?(たぶん栄養剤)を入れて温めたミルクを哺乳瓶で与える。

余ったミルクは、その牧場の中をうろうろしているネコたちにあげていた。

それから牛小屋の掃除、
日によっては干し草をまとめたり、刈りに行ったり、分娩の手伝いをした。



さっきネコがいると言ったが、どうやら飼っている訳ではないようだ。

余ったミルクと、牛が子どもを産んだあとに残る胎盤が狙いだろう。
出産後にネコが胎盤を食べていたから。



牧場の仕事も慣れはじめたある日、
いつものように仔牛にミルクをあげるため、バケツから哺乳瓶にでかい計量カップを使って移していた。

バケツの中には、ミルクを温めるための地雷発見機風の機械が立っているのだが、

それを、ついうっかり倒してしまった。


慌てて立て直したものの、地面は真っ白くなり、ミルクは2/3ほどに減ってしまった。



これはまずい。怒られる。いやマジで。



見つかる前に水で床を流した。

しかしミルクは減ったまま。
仔牛全員にゆきわたるだろうか。
足りない場合、飲めなかった仔牛が死んでしまうかもしれない。


もうこぼさないよう慎重に与えていった結果、
なんとかぎりぎり皆にあげることができた。本当にギリギリ。

胸を撫で下ろし、牛小屋へ行こうとした瞬間、あることを思い出した。


ネコだ。
ネコにミルクをあげなければいけないのだった。


どうしようか考えているうちに、後ろでネコ達が集まってきた。

そのうち一番したっぱらしいネコが
「早くしてくださいよ。親分が待ってます」
と、こちらに呼びにきた。


でもバケツの中は空っぽ。


どうしよう。



ついに決心し、バケツを高く持ってネコ達が集まる場所へと向かった。

後ろからしたっぱのネコがついて来る。


そこでは親分ネコが受け皿の前に陣取っており、子分2匹が後ろに付いていた。


「待ってました!」「早く早く」「腹減った~」
とネコ達がニャーニャー急がせる。

できるかぎり中身が見えないように、バケツをネコ達の頭上から皿の上に持ってくる。

バケツを150゜に傾けた。


チョロロ…



それを見た親分ネコは

「えっ」とやった。



これ、わかります?

首を前に傾げて、
「えっ」
とやったのだ。



その動作があまりにも人間っぽかったため、
俺は腹の底から笑った。


ネコ達の大ブーイングの中、笑いながらその場を立ち去っていったのだった。

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作者紹介
HN:
レイ
性別:
男性
職業:
tramp
自己紹介:
自転車で日本を旅しました。名古屋からスタートした、俗に言うチャリダーというやつですが、自転車は全然詳しくありません。運と勘で乗り切りました。今は資金調達中。
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